救急車の音は通り過ぎると変わるの?

コハク
コハク救急車が通り過ぎたとたん、サイレンの音が低くなったように聞こえませんか?
30秒でわかる答え
コハク実は、サイレンが出している音そのものは、ずっと同じ高さなのですわ。

サイレンが出している音そのものは変わっていません。救急車が近づくときは、音の波の間隔がつまって届くので高く聞こえ、通り過ぎて遠ざかるときは、間隔が広がって届くので低く聞こえます。これをドップラー効果といいます。本当の音の高さは、その間くらいです。

街の道路を走る救急車。背景が流れるようにぶれている
走っている救急車のサイレンは、近づくときと遠ざかるときで高さがちがって聞こえます。写真:Benjamin Ellis / CC BY 2.0 / ウィキメディア・コモンズ

音の高さは波の数で決まる

音は、空気のふるえが波になって伝わるものです。波の山が1秒間に何回届くかを振動数といい、振動数が多いほど高い音に、少ないほど低い音に聞こえます。止まっているサイレンなら、音の波は同じ間隔で広がり、出したときと同じ高さで聞こえます。

走ると波の間隔が変わる

救急車が走っていると、ようすが変わります。波の山を一つ出してから次の山を出すまでのあいだに、救急車は前へ進みます。そのため、前の方では波の間隔がつまり、うしろの方では間隔が広がります。

コハク
コハク救急車が前へ進むので、前の方では音の波の間隔がつまるのですね。

近づくと高く、遠ざかると低く

近づいてくる救急車の前にいると、つまった波が次々に届くので、1秒間に届く山の数がふえ、高い音に聞こえます。通り過ぎた後はうしろ側になるので、広がった波がゆっくり届き、低い音に聞こえます。サイレンが出す音の高さは、ずっと同じです。これをドップラー効果といい、音を出すものと聞く人が近づいたり離れたりすると起こります。

図:走る救急車のまわりの音の波
前へ進む →うしろの方間隔が広がる低く聞こえる遠ざかるとき前の方間隔がつまる高く聞こえる近づくとき

音の大きさの変化とは別

音の高さと音の大きさは別のものです。音は広がりながら進むので、出しているところから離れるほど弱くなります。救急車が近づくと音が大きく、遠ざかると小さくなるのは、この距離のちがいによるものです。通り過ぎたとたんに音がぐっと低くなるのが、ドップラー効果の分かりやすい目印です。

もっと知りたい

  • ドップラー効果は、1842年にオーストリアの数学者・物理学者クリスチャン・ドップラーが最初に唱えました。
  • 光でも同じことが起こります。遠ざかる星や銀河の光は赤っぽい側へ、近づく星の光は青っぽい側へずれて見えます。
  • 天気の観測に使われるドップラーレーダーは、はね返ってきた電波の変化から、雲の動きを調べています。
コハク
コハク近づくときは波がつまって高く、遠ざかるときは広がって低く聞こえる。これがドップラー効果ですわ。

3択クイズで確かめよう

救急車が通り過ぎると音が低く聞こえるのはなぜ?

答えを見る
  1. 届く音の波の間隔が広がる
  2. サイレンが音を低くする
  3. 音が弱くなるから

届く音の波の間隔が広がる 遠ざかると音の波の間隔が広がって届くので低く聞こえます。サイレンが出す音の高さはずっと同じで、これをドップラー効果といいます。

参考資料

  1. The Doppler EffectThe Physics Classroom(英語)
  2. Explainer: the Doppler effectThe Conversation(英語)
  3. Intensity and the Decibel ScaleThe Physics Classroom(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。