りんごやバナナのそばに置くと、ほかの果物も熟すの?

まずは30秒で、答えをお伝えしますわ。りんごやバナナは、熟すときに「エチレン」という気体を出します。エチレンは果物に「熟しなさい」と伝える合図の役目をするので、そばにある果物も熟すのが早まることがあります。ただし、効くのは収穫後も熟すタイプの果物だけです。ぶどう、いちご、かんきつ類などは、収穫したあとは熟し続けません。

熟す合図は「エチレン」という気体
果物が熟すとき、実の中では「エチレン」という気体の植物ホルモン(植物が自分で作る、合図を伝える物質)が働いています。まだ熟していない実ではエチレンは少なく、実が育つにつれて合図として作られます。熟すと、実がやわらかくなり、香りが出て、色も変わっていきます。
収穫後も熟すタイプ
果物は、熟し方で大きく2つに分けられます。りんご、バナナ、もも、アボカドなどは「クライマクテリック型」と呼ばれる、収穫後も熟すタイプです。熟しはじめると呼吸がさかんになり、エチレンを一気に多く作ります。エチレンがさらにエチレン作りをうながすので、熟すのがどんどん進みます。
そばの果物にも届く
エチレンは気体なので、実の外の空気にも広がります。テキサス大学の研究者は、バナナはエチレンを比較的多く出すので、バナナの近くにあるりんごは、遠くにあるりんごより早く熟すと説明しています。袋や閉じた入れ物の中ではエチレンが逃げにくくたまるため、いっしょに入れた果物が早くいたむこともあります。

収穫後は熟さないタイプ
一方、ぶどう、いちご、さくらんぼ、ブルーベリー、みかんなどのかんきつ類は「ノンクライマクテリック型」と呼ばれる、収穫後は熟さないタイプです。熟すときにエチレンが一気に増えることはなく、収穫したあとは熟し続けません。そのため、木やつるの上で熟してから収穫されます。りんごやバナナのそばに置いても、熟すのが進むわけではありません。なお、このタイプの果物の熟し方にもエチレンが関わる可能性が報告されていて、くわしいしくみは研究が続いています。
もっと知りたい
- バナナどうしでもエチレンは働くので、まとめて置いたバナナは、おたがいに熟すのを早め合います。
- 冷蔵庫に入れると、エチレンを作る働きがおさえられます。好みの熟し具合になったら冷蔵庫に移すと、その状態を長く保ちやすくなります。
- 果樹園では、エチレンを出す薬や、果物がエチレンを感じにくくなる薬を使って、熟す時期を調整することがあります。

3択クイズで確かめよう
りんごのそばの果物が早く熟すのはなぜ?
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- りんごの甘い香り
- りんごから出る水分
- エチレンという気体
エチレンという気体 りんごやバナナが出すエチレンは「熟しなさい」の合図です。ただし効くのは、収穫後も熟すタイプの果物だけです。
りんごやバナナが出すエチレンは「熟しなさい」の合図です。ただし効くのは、収穫後も熟すタイプの果物だけです。
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- Ethylene and the Regulation of Fruit RipeningUniversity of Maryland Extension(英語)
- How to Extend the Shelf Life of Fruits and Vegetables with ScienceCollege of Natural Sciences, The University of Texas at Austin(英語)
- エチレンによる果実の成熟・老化制御機構(果樹研究所報告)農研機構 果樹研究所(立木美保)
内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。



