クリケットのバットはなぜヤナギの木で作るの?

コハク
コハククリケットのバットが木でできているのは、ご存じですか? 実は、ただの木ではないのですわ。
30秒でわかる答え
コハクまずは30秒で、答えをお伝えしますね。

ヤナギは軽くて強く、割れにくい木だからです。規則が決めているのは「ヤナギ」ではなく「木だけで作ること」ですが、昔の職人が試した末、1890年代から色の薄いホワイトウィローというヤナギに落ち着きました。

青空の下で黄緑色の花穂をつけた、バット用のヤナギの枝
クリケットのバットに使われるヤナギ(クリケットバット・ウィロー)の枝です。写真:Peter O'Connor aka anemoneprojectors / CC BY-SA 2.0 / ウィキメディア・コモンズ

規則が決めているのは「木だけ」

クリケットのバットは、持つ部分の「ハンドル」と、ボールを打つ平らな部分の「ブレード」でできています。クリケットの規則を管理するMCC(メリルボン・クリケット・クラブ)の規則は、ブレードは「木だけでできていなければならない」と定めています。ここに書かれているのは「木」であり、ヤナギという名前は出てきません。ハンドルは、主に籐(とう)と木で作ると決められています。

コハク
コハク規則に書かれているのは、ヤナギではなく「木だけ」なのですね。

1890年代からヤナギに落ち着いた

それでもヤナギが使われてきたのは、昔の職人たちが試した結果です。ケンブリッジ大学の説明によると、19世紀のバット職人はいろいろな木を試し、1890年代からは、ホワイトウィロー(学名サリックス・アルバ)という色の薄いヤナギの辺材(幹の外側の部分)に落ち着きました。曲がりにくく、密度が低くて軽く、見た目も良かったためです。

図:バットの木が決まるまで
19世紀いろいろな木を試した1890年代からホワイトウィロー(色の薄いヤナギ)MCCの規則ブレードは木だけ

軽くて強く、割れにくい木

バット用の木の良しあしは、重さ、衝撃を吸収する力、強さ、まっすぐな木目、割れにくさで決まるとされます。インドのニュースサイト、モンガバイ・インディアは、バットには「軽くて強く、力強い打球を打てる木」が必要だと伝えています。

インドのカシミールでも育つ

インドでは、北部のカシミール地方でもバット用のヤナギが育てられています。同じ種類の木から、カシミール産のバットもイギリス産のバットも作られていて、カシミール産の木はイギリス産と同等の性質だとする研究者もいます。2024年の記事によると、カシミールでは年に300万本のバットが作られ、10年で15倍に増えました。一方、イギリスは材料の規格がそろっていて、品質を保証しやすいとも書かれています。

もっと知りたい

  • ケンブリッジ大学の研究では、竹で作った試作バットは、手に伝わる振動の大きさがヤナギとほぼ同じでした。
  • バット用に使えるまで育つのに、ヤナギは最大15年かかり、仕入れた木のうち最大30%は使えず捨てられることもあります。
  • 「クリケットバット・ウィロー」という名前で知られるこの品種は、昔からバットを作るのに使われてきました。
コハク
コハク軽くて強いヤナギを、昔の職人たちが試して選んだのですわ。インドのカシミールでも育てられているそうですよ。

3択クイズで確かめよう

バットにヤナギを使う主な理由は?

答えを見る
  1. とても重くて硬いから
  2. 水にぬれても平気だから
  3. 軽くて強いから

軽くて強いから ヤナギは軽くて強く、割れにくいので、力強い打球を打てるバットに向いているとされます。

参考資料

  1. 5.3 The blade / 5.2 The handle (Law 5: The Bat)MCC (Marylebone Cricket Club), Laws of Cricket(英語)
  2. Bamboo cricket bats... Howzat?!University of Cambridge(英語)
  3. Kashmiri willow steps up to the crease and swings for recognitionMongabay India(英語)
  4. Salix alba var. caeruleaRoyal Horticultural Society(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。