サッカーボールが空中で曲がるのはなぜ?

コハク
コハクフリーキックで、ボールが空中で曲がってゴールに入ることがありますわね。あれは、どうしてなのでしょう。
30秒でわかる答え
コハクポイントは、ボールの回転ですわ。

回転しながら飛ぶボールは、まわりの空気の流れが片側へ引っぱられ、左右で圧力の差ができます。その差で横へ押されて曲がります。この現象を、マグヌス効果といいます。フリーキックの曲がるシュートも、この力で説明されます。

芝生の上に置かれた白と紺のサッカーボール
サッカーボールは、回転をつけて蹴ると空中で曲がります。写真:Wutthichai Charoenburi from Bangkok / CC BY 2.0 / ウィキメディア・コモンズ

回転すると空気の流れが変わる

サッカーボールが空中で曲がるのは、ボールが回転しながら飛んでいるからです。ボールの端をこするように蹴ると、ボールに回転がかかります。すると、ボールのまわりの空気の流れは、回転の向きに引っぱられます。

圧力の差で横へ押される

このとき、ボールの片側では空気が速く流れ、反対側では遅くなります。空気が速く流れる側は圧力が低くなり、反対側は圧力が高くなります。この差で、ボールは横へ押されます。この力は、回転の軸と空気の流れの、どちらに対しても直角の向きにはたらきます。ボールが横にそれるこの現象は、マグヌス効果と呼ばれています。NASAのグレン研究センターも、回転するサッカーボールが受けるこの力を、ゴールキーパーをかわす「曲がるキック」の元として説明しています。

図:ボールが横へ押されるしくみ
回転するボール回転空気が速い圧力が低い空気が遅い圧力が高い横へ押されます

ロベルト・カルロスのフリーキック

有名な例として、よく取り上げられるのが、1997年のブラジルのロベルト・カルロスのフリーキックです。物理の雑誌「フィジックス・ワールド」によると、ボールはゴールから約30mの位置に置かれていました。左足の外側で蹴られたこのボールは大きく曲がり、ゴールに入りました。科学者が曲がり方を調べるときの題材にもなりました。

コハク
コハクロベルト・カルロスのフリーキックは、科学者が調べる題材にもなったそうですわ。

遠くから蹴るほど、らせんを描く

2010年には、パリの物理学者のデビッド・ケレたちが、このシュートを調べた研究を発表しました。マグヌス効果が曲がる理由であることを確かめたうえで、ボールが遅くなるにつれて、軌道が「らせん」のように曲がっていくことも見つけました。この「らせん」は、サッカーボールでは約40m飛んだあたりから表れるそうです。

もっと知りたい

  • NASAは、サッカーボールの曲がる力の大きさを求める式を、ボールの大きさや回転、速さなどを使って紹介しています。
  • 2010年の研究をしたのは、パリのESPCIとエコール・ポリテクニークの物理学者たちで、結果は科学雑誌「ニュー・ジャーナル・オブ・フィジックス」に発表されました。
コハク
コハク回転が生む空気の流れの差が、ボールを横へ押していたのですね。

3択クイズで確かめよう

ボールが空中で曲がる理由は?

答えを見る
  1. 回転で生まれる力
  2. いつも横風が吹く
  3. 蹴るとボールがゆがむ

回転で生まれる力 回転するボールは左右で空気の流れに差ができ、圧力の差で横へ押されます。この現象をマグヌス効果といいます。

参考資料

  1. The physics of footballPhysics World (Institute of Physics)(英語)
  2. Soccer Ball Aerodynamics (Lift of a spinning ball)NASA Glenn Research Center(英語)
  3. Scientists uncover secret of Roberto Carlos goalNBC News (Associated Press)(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。