雲はなぜ空から落ちてこないの?

コハク
コハク雲は水や氷の粒でできているのに、どうして落ちてこないのでしょう?
30秒でわかる答え
コハク答えは「実はゆっくり落ちている」ですわ。

雲は、実はとてもゆっくり落ちています。雲をつくる水や氷の粒はとても小さく、空気の抵抗を受けて落ちる速さがごく遅いのです。雲ができる場所では空気が上へ動いていて、その流れが落ちる動きを打ち消すため、雲は浮かんでいるように見えます。

青空にもくもくと浮かぶ白い積雲
浮かんで見える雲も、実はとてもゆっくり落ちています。写真:Lance Vanlewen / CC BY-SA 4.0 / ウィキメディア・コモンズ

雲は小さな粒の集まり

雲は、小さな水の粒や、気温が低いところでは氷の粒が集まったものです。水の粒の半径は数マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)から数十マイクロメートルほどしかありません。それぞれの粒の中心には、ちりや煙、海のしぶきからできた塩など、さらに小さな粒があります。

小さい粒はゆっくり落ちる

物が落ちる速さは、重さと空気を受ける面の広さで変わります。粒が小さくなると、重さは面の広さよりずっと速く減るため、空気の抵抗が勝ってなかなか落ちません。かなり大きめの半径100マイクロメートルの粒でも、落ちる速さは秒速27cmほどです。雲の多くの粒は、これよりずっと小さくてゆっくりです。

コハク
コハク小さな粒ほど、ふわりとゆっくり落ちるのですね。

上昇気流が支えている

雲は、上へ動く空気(上昇気流)の中でできて育ちます。おだやかな雨を降らせる平たい雲では秒速数cm、にわか雨や雷を起こすもくもくした雲では秒速数mを超える上昇気流があり、どちらも粒のゆっくりした落下を打ち消すのに十分です。

図:落ちる粒と、上へ動く空気
粒はごくゆっくり落ちる上昇気流半径100マイクロメートルの大きめの粒でも落ちる速さは秒速27cmほど上向きの流れが打ち消し浮かんで見える

大きくなると雨になる

雲の粒は、水蒸気が水になって生まれたり、また蒸発して消えたりを絶えずくり返しています。雲の形がたえず変わるのはこのためです。粒どうしがくっついて大きく重くなり、上昇気流でも支えきれなくなると、雨や雪となって地上へ落ちてきます。

図:雲の粒が雨になるまで
小さな粒上昇気流で支えられるくっついて大きく重くなる支えきれず雨や雪になって落ちる

もっと知りたい

  • 1立方kmの小さな雲に含まれる水の粒は約100万kg、車およそ500台分という見積もりがあります。同じ体積の空気はその約1000倍の重さです。
  • 雲の粒の中心になる小さな粒(凝結核)は、雲の粒のおよそ100分の1の大きさです。
  • 空気が上昇すると、まわりの気圧が下がってふくらみ、温度が下がります。冷えて水蒸気が水になることで雲ができます。
コハク
コハク雲はゆっくり落ちていて、上へ向かう空気の流れがそれを支えているのですわ。

3択クイズで確かめよう

雲が落ちてこないように見えるのはなぜ?

答えを見る
  1. 雲は空気より軽いから
  2. 粒が小さくゆっくり落ちるから
  3. 雲が水蒸気だけでできているから

粒が小さくゆっくり落ちるから 雲の粒はとても小さく、落ちる速さがごく遅いのです。さらに上向きの空気の流れが、落ちる動きを打ち消します。

参考資料

  1. Why do clouds float when they have tons of water in them?(UCAR COMETの気象学者による解説)Scientific American(英語)
  2. How Clouds FormNOAA(National Oceanic and Atmospheric Administration)(英語)
  3. How do clouds float?Smithsonian National Air and Space Museum(How Things Fly)(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。