地震はなぜカタカタの後にユサユサ揺れるの?

コハク
コハク地震のとき、最初は小さくカタカタ、あとから大きくユサユサ。どうして揺れ方が変わるのでしょう?
30秒でわかる答え
コハク答えは、2種類の波の速さの違いですわ。

地震の揺れは、速く伝わるP波と、遅れて届くS波の2種類の波でやってきます。先に着くP波が小さなカタカタ、後から来るS波が大きなユサユサの揺れです。緊急地震速報は、この到着の時間差を利用して、強い揺れが来る前に知らせるしくみです。

地震計の記録。最初は小さな揺れが続き、その後に大きな揺れが記録されている
地震計の記録の例(2022年、アメリカ西海岸沖の地震)。最初の小さな揺れの後に、大きな揺れが続いています。写真:James St. John / CC BY 2.0 / ウィキメディア・コモンズ

揺れは波になって伝わる

地震が起きると、地下の岩盤がずれて、その動きが波(地震波)となって周りへ伝わっていきます。気象庁によると、地震波には主に2種類あり、速く伝わる「P波」と、それより遅いけれど揺れの強い「S波」があります。

速いP波と、強いS波

気象庁は、P波の速さを秒速約7キロメートル、S波を秒速約4キロメートルと説明しています。気象庁の案内では、先に届くP波を「カタカタ揺れる波(初期微動)」、後から届くS波を「ユサユサ揺れる波(主要動)」と呼び、地震の被害は主にS波によってもたらされるとしています。ただし速さは通る地層によって変わり、地表近くではP波が秒速5キロメートル前後、S波が秒速3キロメートル前後とする資料(防災科学技術研究所)もあります。

図:P波とS波
地震計の記録(イメージ)P波秒速約7キロカタカタ(初期微動)S波秒速約4キロユサユサ(主要動)先に着くのは速いP波

波の形はイメージです。速さは気象庁の説明によります。

縦波と横波

防災科学技術研究所の解説によると、P波は、波が進む向きと同じ向きに地面がゆれる「縦波」、S波は、進む向きと直角に地面がゆれる「横波」です。縦・横は「上下か水平か」ではなく、波の進む向きとの関係を表しています。名前は、英語のPrimary(1番目)とSecondary(2番目)の頭文字から来ています。

図:縦波と横波
縦波(P波)波の進む向き揺れは同じ向き横波(S波)波の進む向き揺れは直角の向き
コハク
コハク縦波と横波は、上下と水平のことではないのですね。

時間差が速報に役立つ

P波とS波の到着の時間差は、震源から遠いほど大きくなります。緊急地震速報は、震源の近くの地震計でP波をとらえ、震源や地震の規模、揺れの強さをすぐに計算して、S波が来る前に知らせるしくみです。ただし、計算と伝達に数秒ほどかかるため、震源のすぐ近くでは強い揺れに間に合わないこともあります。

もっと知りたい

  • P波が届いてからS波が届くまでの秒数に7〜8をかけると、震源までのおおよその距離(キロメートル)が分かります。この係数は地震学者の名前から「大森定数」と呼ばれます。
  • 緊急地震速報には、気象庁の約690か所の地震計・震度計に加えて、防災科学技術研究所の全国約1000か所の観測網が使われています。
  • S波(横波)は、水のような液体の中を伝わることができません。縦波のP波は、液体の中も伝わります。
コハク
コハク速いP波がカタカタ、遅いけれど強いS波がユサユサ。この時間差が、緊急地震速報にも役立っているのですわ。

3択クイズで確かめよう

地震で後から来る大きな揺れの波は?

答えを見る
  1. S波
  2. P波
  3. 余震の波

S波 速く伝わるP波が先に小さなカタカタを、遅れて届くS波が大きなユサユサの揺れを起こします。

参考資料

  1. 緊急地震速報のしくみ気象庁
  2. 緊急地震速報の原理 どう使う(気象庁リーフレット)内閣府 防災情報のページ(気象庁作成)
  3. 3.1 震源決定防災科学技術研究所 Hi-net
  4. 地震波速度地震調査研究推進本部(地震本部)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。