招き猫はなぜ片手をあげているの?

コハク
コハク招き猫の手は、なぜあがっているのでしょう? 左右の違いも気になりますわね。
30秒でわかる答え
コハクまずは30秒で、答えをお伝えしますね。

招き猫があげた前足は、人や福を「おいでおいで」と招く合図の形といわれています。日本の手招きは、手のひらを下に向けて指を折り曲げます。左右どちらの手かで意味が違うという説明も広まっていますが、これは言い伝えです。

前足をあげるのは手招きの形

招き猫が前足をあげているのは、人や福を招く姿だからです。日本で人を呼ぶときは、手のひらを下に向け、指を下へ折り曲げるようにして、くり返し招きます。招き猫の姿は、この手招きに見立てたものといわれています。欧米の多くでは、手のひらを上に向けて自分のほうへ引き寄せる動きが「おいで」の合図なので、国によって招き方がちがいます。

片方の前足をあげている、黄色い招き猫の置物
片方の前足をあげた招き猫の置物。人や福を招く手招きの形といわれています。写真:jf2c / CC0 / ウィキメディア・コモンズ

左手と右手の言い伝え

招き猫には、左手をあげたものと右手をあげたものがあります。よく聞く説明では、左手は人やお客、良縁を招き、右手は金運や幸運を招くとされています。左手の猫は雌、右手の猫は雄といわれることもあります。ただしこれは広まっている言い伝えで、地域による違いもあるといわれ、決まった答えがあるわけではありません。

図:左手と右手の言い伝え
左手をあげた猫人やお客を招き、良縁もといわれる右手をあげた猫金運や幸運を招くといわれる広まっている言い伝えで、地域による違いもあるといわれます

豪徳寺に伝わる猫の話

東京の世田谷にある豪徳寺には、鷹狩りの帰りの殿様が、門前の猫に手招きされて寺に立ち寄った、という話が伝わっています。その殿様は彦根藩主の井伊直孝で、寺は直孝の支援で寛永10年(1633年)に再興されたと寺は紹介しています。福を招いた猫は「招福猫児」と呼ばれるようになりました。この寺の猫は小判を持たず右手をあげた姿で、感謝の気持ちがあれば福が訪れるという教えを表すと、寺は説明しています。

コハク
コハクお寺に伝わる猫のお話は、あくまで言い伝えなのですね。

今戸にも別の話がある

発祥の地には、ほかにも説があります。浅草の今戸では、江戸時代末期に作られた今戸焼の「丸〆猫」が、今ある最古の招き猫の土人形といわれています。猫の土人形を今戸焼で作って浅草寺の周辺で売ったところ、大人気になったという説もあります。このように、招き猫は江戸時代末期ごろに生まれたといわれますが、はっきりした始まりは分かっていません。

もっと知りたい

  • 9世紀の中国の書物に、猫が顔を洗って耳より高い位置に上がると客がやってくる、という記述があり、これも起源の一つとされています。
  • 東京の自性院には、黒猫が手招きして寺へ導き、人を救ったという伝承が伝わっているそうです。
コハク
コハク左右の意味も、起源のお話も、広まっている言い伝えですわ。決まった答えはないのです。

3択クイズで確かめよう

招き猫のあげた前足は何の合図?

答えを見る
  1. 元気な挨拶
  2. 「止まれ」の合図
  3. 人や福を招く合図

人や福を招く合図 あげた前足は手招きの形といわれます。日本の手招きは手のひらを下に向けて、指を折り曲げます。

参考資料

  1. 招福猫児(招き猫)について大谿山 豪徳寺【公式サイト】
  2. 招き猫の由来と種類(SKYWARD+)JAL Brand Communications
  3. 招き猫の歴史と由来(SKYWARD+)JAL Brand Communications
  4. What is maneki-neko?──Japanese Culture Snippets Vol.2NICHIGO PRESS(Dr Shunichi Ikeda, ANU)(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。