数字の「0」はどこで生まれたの?

コハク
コハク数字の0が、どこで生まれたかご存じですか? とても古い歴史があるのですわ。
30秒でわかる答え
コハク順番にお話ししますね。

数として計算できる「0」の考え方が育ったのは、インドだといわれています。628年、インドの数学者ブラーマグプタが、0を数として扱う計算の決まりを本に書きました。これが0を数として論じた最初の文書とされ、0はのちにアラビア語圏を通ってヨーロッパへ伝わりました。

「空き」を示す印は各地にあった

「何もない」ことを表す印は、世界のいくつかの古い文化で使われていました。たとえばバビロニアやマヤでは、数のけた(10の位、100の位など)を示す印として使われたことが知られています。ただ、これは「その位は空いている」というしるしで、足したり引いたりできる数ではありませんでした。

数としての0を書いたブラーマグプタ

0を数として扱う考え方が育ったのは、インドだといわれています。628年、インドの天文学者で数学者のブラーマグプタは、『ブラーマスプタ・シッダーンタ』という本の中で、0を「ある数からその数自身を引いた答え」と説明しました。0を足しても引いても数は変わらないこと、0をかけると0になることも書いています。これが、0を数として論じた最初の文書とされています。

完全ではなかった最初の決まり

ただし、このときの決まりは完全ではありませんでした。ブラーマグプタは「0を0で割ると0」と書いていますが、これは正しくありません。それでも、0やマイナスの数まで計算の決まりを広げようとしたのは、記録に残る限りこの人が最初だと数学史の資料は説明しています。

古い写本の点と、年代の議論

0のもとになった「点」の印も、インドの古い写本に見られます。バクシャーリー写本には、位を示す点がたくさん書かれています。2017年にオックスフォード大学は、この写本の一部が3〜4世紀ごろのものと発表しました。しかし、写本の年代については研究者のあいだで議論が続いていて、はっきり決まっていません。以前の研究では、8〜12世紀ごろと考えられていました。

バクシャーリー写本に書かれた数字の1から9と、点の形の0
バクシャーリー写本の数字を書き写した図。右はしの点が、0の古い形のひとつです。写真:Augustus Hoernle (1841-1918) / Public domain / ウィキメディア・コモンズ
コハク
コハク古い写本の年代には、今も議論があるのですね。

アラビア語圏を通ってヨーロッパへ

インドの数字は、アラビア語圏の数学者たちを通って西へ広がりました。アル・フワーリズミーは、インドの数字と0を使う計算を本にまとめた人です。ヨーロッパには、イタリアのフィボナッチが1202年の『算盤の書』で、インドの9つの数字と0の記号を紹介しました。ただ、0はそのあと長いあいだ、あまり使われませんでした。

図:0が広まった道すじ
628年 インドブラーマグプタが決まりを書くアラビア語圏インドの数字と0が伝わる1202年 ヨーロッパフィボナッチが0を紹介

もっと知りたい

  • 9世紀にマディヤ・プラデーシュ州のグワリオルの寺院の壁に刻まれた0は、長いあいだ、インドで見つかった最も古い位取りの0とされてきました。
  • 英語の「ゼロ(zero)」や「シファー(cipher)」という言葉は、もとをたどるとアラビア語の「スィフル」にたどりつきます。
コハク
コハク数としての0の決まりは、インドの本に書かれ、アラビア語圏を通って広まったのですわ。

3択クイズで確かめよう

数としての0の決まりを書いた国は?

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  1. 古代ギリシャ
  2. インド
  3. 古代ローマ

インド 628年にインドのブラーマグプタが、0を数として使う決まりを本に書きました。

参考資料

  1. Carbon dating finds Bakhshali manuscript contains oldest recorded origins of the symbol 'zero'University of Oxford / Bodleian Libraries (GLAM)(英語)
  2. Brahmagupta (598 - 670) - BiographyMacTutor History of Mathematics, University of St Andrews(英語)
  3. A history of ZeroMacTutor History of Mathematics, University of St Andrews(英語)
  4. Leonardo Pisano Fibonacci - BiographyMacTutor History of Mathematics, University of St Andrews(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。